2025地域未来フォーラム

市民活動がだれかの薬になる!?―「社会的処方」という実践―

日時:2025年2月19日(水) 14:00~16:30  

会場:新横浜スペースオルタ (新横浜駅徒歩8分)

YouTube Live配信あり

 地域のつながりの希薄化、社会的孤立、子どもの貧困、格差の拡大等々が私たちの身近な問題として捉えられるようになったのはいつごろからでしょうか?10年以上前、『無縁社会』という言葉が注目され、多くの人が「孤独・孤立」の問題がより一層深まってきたことを知るきっかけになったのかもしれません。そこに2020年から長引いたコロナ禍が追い打ちをかけたことで、さらに孤独・孤立が「社会の問題」として捉えられるようになり、2024年4月には孤独・孤立対策推進法が施行されました。

 地域で支援を必要とするのは、介護が必要だったり、認知症のある人だけではありません。誰もが様々な人、物、制度、機関などによる支援を必要としています。様々なサポートを上手に使いこなすことで、人ははじめて「自立」できるともいえます。地域で生活していく上では、物、制度、機関などではカバーしきれない部分があり、「人」との関わりが大きな要素を占めています。

 人とのつながり、社会とのつながりが少ない「孤立」の死亡リスクは、孤立していない人の約1.9倍、喫煙や過度の飲酒、肥満を上回ることがわかっています。認知症・鬱病・運動不足による各種疾患…。医療機関に持ち込まれる問題の2~3割は社会的な問題といわれています。近年深まる「社会的孤立」という、従来の医療の枠組みでは対処が難しい問題に対し、薬ではなく「地域での人のつながり」を処方する「社会的処方」という取り組みが注目を集めています。

 基調講演に、川崎市の武蔵小杉や元住吉を中心に「医療者と気軽につながれるカフェ:暮らしの保健室」を運営し、2018年4月から、社会的処方を日本に広めるための「社会的処方研究所」を立ち上げた西智弘氏、トークセッションには地域で「社会的処方」を実践するお二人を迎え、「社会的孤立」の問題を考え、「アソシエーションが主役のまちづくり」へ向けて大ぜいの意志ある市民の参加をつくっていくためのフォーラムを開催します。

 

どなたでも参加できます。

 

講師:西 智弘さん

   (にし・ともひろ)

川崎市立井田病院 腫瘍内科 部長(一般社団法人プラスケア代表理事)

「薬で人を健康にするのではなく、地域とのつながりを利用して人を元気にする」仕組み、社会的処方。釣りや編み物のサークル、花壇を整備するNPO法人、近所の人たちが集まる居酒屋

 ・・・そういった活動とつながっていくことを通じて、人は元気を取り戻していきます。みなさんの活動も、もしかしたら誰かにとっての「お薬」になるかもしれません。そして、あなたがこれまで知らなかった活動たちがつながっていくことで、このまちで暮らしているだけで自然と元気になれる環境を作っていけます。そんなまちづくりのため、あなたの手をお貸しください。



事例報告・トークセッション

  スピーカー

          ●西 智弘さん

 ●木村里美さん(きむらさとみ) 訪問看護事業 ㈱こころ代表

川崎市にあるあゆむ訪問看護チームが作った多世代コミュニティスペース&産前産後ケア施設「あゆむ庵」。JR南武線武蔵新城駅から徒歩10分ほどの築66年の空き家を活用し、今年5月にオープンした。産前産後の方や家族が気軽に赤ちゃんと一緒に来て休んだり、おしゃべりしたり、学んだり、育児の相談ができる助産師や理学療法士等の医療の専門家からトータルケアを受けられる。赤ちゃんから高齢者までが集う「まちの保健室」をめざす。

 ●石川昭子さん(いしかわあきこ) NPO法人ワーカーズ・コレクティブたすけあい戸塚

 たすけあい戸塚は、1990年に設立し、今年10月で丸34年を迎えた。2008年から地域のたまり場「よつばサロン」を町内会館を借りて毎月第3水曜日に開催していた。事務所を現在の場所に移転し、2012年には事務所隣接のスペースに「ふれあい広場よつば」を平日週4日、13時~16時までオープンした。事務所移転後、2012年に地域のくつろぎの場、相談窓口、生きがいづくりの場、情報基地などの目的をもって「ふれあい広場よつば」をオープン。フリースペース、親子サロン、編み物、ヨガ、書道などのイベントも開催

コーディネーター:佐野めぐみ  生活クラブ神奈川副理事長


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