オンライン講演(ZOOM)
いま、なぜ「こども食堂」なのか?
日時
2025年6月10日(火)
15:00~16:30
※第3回通常総会終了後
会場
新横浜スペースオルタ
湯浅氏は来場ではなく、ZOOMでのオンライン講演になります。
上記会場でも、どこでもZOOMによる視聴が可能です
講師:湯浅誠氏
孤立や孤独の問題は特定の人の問題ではなく、すでに子どもから高齢者までだれにも関わりのある社会的課題となっています。
昨年、こども食堂のネットワーク組織である認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが実施した「こども食堂」に関する調査で、全国のこども食堂が昨年度から1,734箇所増えて「10,866箇所」となり、全国の公立中学校と義務教育学校の数を合わせた9,265箇所を超える結果となったという発表がありました。「むすびえ」は、多様にあり得る居場所の一つとしての「こども食堂」の位置づけが定着しつつあると考えられると分析しています。
いま、なぜ、「こども食堂」なのか?地域の中で広がりを見せる「こども食堂」とはどういう存在なのか?その背景にある貧困や孤立の現状なども含めて湯浅さんのお話を聞くことから、2025年度の活動を始めていきたいと思います。
開催趣旨
2025年当初に起こった埼玉県の道路陥没事故によって、日本におけるインフラ老朽化問題と、その維持管理の重要性や小規模分散型のインフラのしくみなどにあらためて注目が集まりました。これまで私たちがつくってきた資本主義社会は、新自由主義経済のもと、ひたすら経済成長、経済効率を追い求め、その結果、経験したことのない森林火災や集中豪雨、豪雪災害が頻発するような気候危機をもたらしました。日本の貧困率は先進国の中で最悪であるなど、経済格差も拡大し、この人口減少社会において私たちの社会のありようを大きく変えていく必要性に迫られています。
目に見えにくいインフラ老朽化の課題・・・同じく、社会の中で見えにくい「貧困」状態にある人に限らず、私たちはだれでも孤独や孤立、何らかの問題を抱えていて、だれかの手助けを必要とするときが必ずあります。しかし、国家も資本と深く結びついているため、「上からの」政治・統治による変化はあまり期待できません。私たち自らが身近な社会にコミットしていく「自治」の力で少しずつ変えていくしかないのかもしれません。
そうした「自治」をどのように実践していけばよいのか?
生活クラブ運動は、50年に亘って地域に必要なものやサービスを生み出していくために「人づくり」に力を注ぎ、さまざまな組織やワーカーズ・コレクティブ等々、自律的なアソシエーションを多様に生み出してきました。市民によるアソシエーションの社会的機能は、バラバラな個人の間に連帯をつくり、多様なアプローチをもって社会化の芽を醸成しながら、ひいては市民社会を強めていくものであるといえます。
かつて家族や地域が果たしてきた「支え合う」機能が失われてきているいま、地域にさまざまなアソシエーションが生まれ、たすけあい・支え合いのコミュニティづくり、つながりづくりから事業や活動を生み出していく意味はますます大 きくなっています。
2025年度の未来機構の活動を開始するにあたり、私たちがめざす社会のありようについて、あらためて考え、ヒントを得る機会を持ちたいと思います
講師:湯浅誠氏
1969年東京都生まれ。
社会活動家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授。経済同友会会員。
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。
著書に、『つながり続ける こども食堂』(中央公論社、2021年)、『反貧困』(岩波新書、2008年、第8回大佛次郎論壇賞、第
14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)など多数。